足首の痛みと捻挫後遺症に対するオステオパシー的アプローチ

目次

距骨・靭帯損傷・後脛骨筋から考える足関節の機能障害

足首の痛みを訴える方の中には、過去に足関節捻挫を経験している方が多いです。

当院でも寒い季節になると痛みが悪化する、年齢を重ねてきて痛みが慢性化してきたなどのご相談も多くいただいています。

しかしほとんどの臨床現場ではその痛みが「何年も前の捻挫だから関係ない」と認識されるケースも少なくありません。

痛みの原因がわからず、常に足という人体の土台に不安定さを抱えることは非常にストレスなことだと思います。

オステオパシー的な視点では、捻挫は一過性の外傷ではなく、身体全体に影響を残す構造的な出来事と捉えます。

特に足関節は、体重負荷・歩行・姿勢制御の要であり、微細な可動制限やアライメントの崩れが、慢性的な足首痛、膝痛、股関節痛へと波及します。

これからの長い人生の足と歩行の健康状態のためにも、ケアやメンテナンスは非常に重要です。

足関節の解剖学的要点と距骨の重要性

足関節(距腿関節)は、脛骨・腓骨・距骨によって構成される関節であり、距骨は筋付着を持たないという特徴的な骨です。

そのため、距骨の位置の異常は靭帯・筋膜・関節包の緊張バランスによって大きく左右されます。

この距骨が靴の中で慢性的に不安定であること、発育期に生じた距骨の歪みが成長してからの足の不調に繋がることは非常に多いです。

距骨の機能的特徴

  • 背屈・底屈時の前後滑り
  • 距骨下関節での回内・回外運動
  • 歩行時の衝撃吸収と推進力伝達

捻挫後に距骨の前方・後方偏位が残ると、距腿関節の可動性が低下し、足首の不安定感や違和感として現れます。

足首に痛みがある方は、距骨を包み込むようなしっかりとした靴、室内ばき、足にあったインソール選びが大切です。

足関節捻挫と靭帯損傷のメカニズム

一般的な内反捻挫では、以下の靭帯が損傷を受けやすいとされています。

  • 前距腓靭帯(ATFL)
  • 踵腓靭帯(CFL)
  • 後距腓靭帯(PTFL)

急性期を過ぎても、靭帯の微細な瘢痕化や関節包の短縮が残ることで、関節の固有受容感覚(プロプリオセプション)が低下します。

これにより、再捻挫や慢性的な足首の不安定性が生じてしまいす。

オステオパシーでは、靭帯損傷を単なる局所炎症ではなく、神経筋制御と関節運動の破綻として評価します。

後脛骨筋と足部アーチの関

足首の痛みや捻挫後遺症を語る上で、後脛骨筋の評価は欠かせません。

後脛骨筋は内側縦アーチを支持する主要筋であり、距骨・舟状骨の安定性に深く関与しています。

後脛骨筋機能低下で起こる変化

  • 内側アーチの低下
  • 距骨の内下方変位
  • 過回内(オーバープロネーション)
  • 足首内側の慢性痛

捻挫後、無意識に痛みを避けた歩行が続くと、後脛骨筋の機能不全が固定化し、足関節だけでなく膝・骨盤へと負担が連鎖します。

オステオパシーにおける評価ポイント

距骨の位置と可動性評価

  • 背屈時の距骨後方滑り
  • 底屈時の前方滑り
  • 距骨下関節の回内・回外可動

筋膜と靭帯の評価

  • 前距腓靭帯周囲の瘢痕
  • 内果周囲の筋膜緊張
  • アキレス腱・下腿三頭筋の短縮

下肢全体のアライメント

  • 脛骨の回旋
  • 膝関節の内外反
  • 骨盤の左右差

オステオパシーによる足関節アプローチ

距骨モビリゼーション

距骨の生理的滑りを回復させることで、関節内圧を軽減し、可動域を正常化します。

強い矯正ではなく、関節包の緊張がほどける方向へ誘導することが重要です。

靭帯・筋膜リリース

瘢痕化した靭帯や足関節周囲筋膜に対し、低負荷で持続的なテンションを加え、組織の順応性を回復させます。

後脛骨筋・下腿筋群の調整

筋腹・筋腱移行部・筋膜連鎖を考慮しながら、アーチ支持機能を再教育します。

骨盤・脊柱への統合的調整

足関節の問題は末端だけで完結しません。骨盤・腰椎・胸郭との連動を整えることで、再発予防につながります。

生活とセルフケアの重要性

施術効果を維持するためには、生活の中でのケアも重要になってきます。

  • 足裏の感覚を意識して立つトレーニング
  • 足首の動きが不安定な靴をやめ安定感のある靴をはく
  • フローリングでも足を痛めることがあるので適切な室内ばきを選ぶ
  • インソールによるアーチサポート
  • 捻挫後のリハビリ的な運動

治療と合わせてこのようなご自宅でのセルフケアの指導もしています。

当院での症例|捻挫後の足首の痛み

50代 男性

半年前にフットサルで捻挫をし足首外側の痛みが治らないと来院。
検査をすると距骨が前方に変位し、足首の背屈制限あり。
靭帯を調べると前距腓靭帯の制限がある。

立方骨の下方変位・舟状骨の上方変位がある。
仙骨、腸骨から治療して、距骨の前方変位を矯正する。
後脛骨筋と骨間膜もリリースさせる。

舟状骨の変位だけ残ったので矯正し、足首全体の靭帯のバランスを取り終了する。
背屈の可動性が回復し、痛みも軽減する。

当初「しゃがむことができない」という主訴をお持ちでしたが、1回の治療後で足首が曲げやすくなりしゃがめるようになったということでした。

その後も全身のメンテナンスと改善・維持のため来院されています。

足首の痛みと捻挫後遺症に対するオステオパシー的アプローチのまとめ

足首の痛みや捻挫後遺症は、部分だけではなく、距骨・靭帯・筋膜・神経制御の複合的な問題です。

オステオパシーでは、足関節を全身構造の一部として評価し、機能回復と再発予防を同時に目指します。

過去の捻挫が現在の不調につながっているケースは非常に多いため、治療家としては深い洞察が問われるかと思います。

部分のみではなく、足首から全身を診る視点がオステオパシーの真価と言えるでしょう。

現代人の一生は長いです。自分の足で長く歩いて生きるためには、シニアになる前からの足の健康意識が必要です。

年齢を重ねた時に、足の問題で悩むことを防ぐためにも、自分の足で元気に歩き続けるためにも、今からしっかりメンテナンスをしていきましょう。

足首の痛みと捻挫後遺症に対するオステオパシー的アプローチ|東京渋谷代々木上原の治療院
足首の痛みと捻挫後遺症に対するオステオパシー的アプローチ

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東京都渋谷区代々木上原
オステオパシー/整体治療院

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